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2026/10/14 16:35

2026年10月2日(金)、駿府城公園内の紅葉山庭園茶室で開催された「ライトアップコンサート 銘茶と音楽のタベ」に、静岡茶商工業協同組合の企画の一員として参加し、来場者の皆さまに呈茶をさせていただきました。

昼間とはまったく違う顔を見せる紅葉山庭園。

(演奏のリハーサルも特等席で拝見できました)

茶室から望む庭は、灯りにゆるやかに照らされ、夜の静けさのなかに美しく浮かび上がっていました。その景色を前にして、まずこの景色の中でお茶を楽しむ方々の顔が見れる喜びを感じていました。(久々に人前でお茶を淹れる緊張感もありました)

 

この日は、来場者の皆さまに三種類の静岡茶をお楽しみいただきました。

・本山紅茶の炭酸水抽出

・竜爪オクミドリの炭火焙煎(薫風)の低温抽出、2煎目は少し高温で渋みも出して。

・手摘み烏龍茶

 

炭酸水で抽出した本山紅茶は、紅茶らしい華やかさの中に、すっと抜ける清涼感があります。食前の一杯として、お出ししました。

 

竜爪オクミドリの炭火焙煎は、竜爪茶の爽やかな香りが広がり、喉を通った後に旨味の余韻が長く残る一杯です。手摘みの烏龍茶は、じっくりと時間をかけてその香味を味わっていただける深みがありました。

 

同じ「静岡のお茶」でありながら、抽出のしかたや製法によって、まったく異なる表情を見せる。その違いを、灯りのともった茶室で味わっていただけることは、私にとっても嬉しい時間でした。

 

(本番。)

演奏が終わっても、余韻は続く。

お茶を淹れ終えたあとは、来場者の皆さまとともに、ヴァイオリンの音色に耳を傾けました。

 

弦の震えが茶室の空気にゆっくりと溶けていく。お茶の香り、庭の灯り、そして音。それぞれが主張しすぎることなく、重なり合っていく時間でした。

 

「お茶を飲みながら音楽を聴く」というのは、特別なことをしているようで、実はとても自然なことなのだと思います。一杯のお茶が、音楽を聴く耳を少しだけやわらかくしてくれる。音楽が、お茶の余韻をより長く感じさせてくれる。

 

その小さな循環を、この夜は多くの方と共有できました。

 

お茶と文化が交わる場所「紅葉山庭園茶室」という場は、ただ演奏を聴く会場ではなく、静岡の茶と文化がそっと出会う場所だと感じました。

 

歴史ある庭園の灯り、茶室のしつらえ、地元の銘茶、そして生の演奏。どれひとつとして欠けても、この夜の空気は生まれなかったでしょう。

 

ご来場いただいた皆さま、企画・運営に携わってくださった皆さま、そして演奏してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

茶屋すずわとしても、お茶を「飲むもの」としてだけでなく、場所や音、季節とともに味わう体験として届けていきたいと思っています。この夜にご一緒できた皆さまと、またいつか、違う季節のお茶の時間を囲めたら嬉しいです。てんやわんやで写真を撮る余裕はなかったのが少し心残りでした。